AAVEとdYdXのコンビネーション|デリバティブ商品 『新鋭・OpenLeverage』の市場調査分析

OpenLeverage OLE Token
OpenLeverage OLE Token

DeFiレンディングプロトコルOpenLeverage(OLE)は、Binance Labs Incubation Program Season 4のDeFiプロジェクトとして、7月7日10時(UTC)にトークンが上場、市場への流通が始まりました。以前より、Binance LabsとCrypto.comは、OpenLeverageへの戦略的投資を発表しています。弊社のスローガンである、「Find your next moonshot(次のビッグウェーブを開拓する)」に従い、OpenLeverageを暗号資産取引所で最初に上場させ、7月7日09:00(UTC)にOLE取引を開始しました。詳しくは、https://www.mexc.com/exchange/OLE_USDT をご覧ください。

1.銘柄紹介

OpenLeverage(OLE)は、DEXの流動性を集約したパーミッションレスのレンディングと信用取引のプロトコルであり、トレーダーはDEX上のあらゆる取引ペアでロングまたはショートのポジションを持つことができます。OpenLeverageはEthereumとBNBチェーンに展開されており、将来的にはマルチチェーン展開が予定されています。これにより、ユーザーは任意の取引ペアに対して証拠金取引市場を立ち上げることができます。分散型取引所が提供する流動性と組み合わせることで、分散型「現物証拠金取引プラットフォーム」、またはAAVEとdYdXを組み合わせて商品化したものとして理解していただけます。

優れたDefiプロトコルは、取引の透明性を向上させることに加え、ハッカーからの攻撃を常に防ぐ必要があります。技術的には、OpenLeverageは同じブロックでの売買を禁止しており、フラッシュローン攻撃を根本から排除しています。流動性の面では、OpenLeverageはUniswap、Pancake、MdexなどのDEXを選択して取引しています。

動作の仕組み

DEXの特定の取引ペアで、独立した貸付プールを2つ作成します。一例として信用取引の、bGST-BUSDについて考えてみます。貸し手は、bGSTとBUSDを担保として提供することで2つのプールに流動性を追加でき、貸し手先プールの持分としてLトークン(LbGSTまたはLBUSD)を受け取ることになります。また、一部のレンディングプールではOLEトークンの報酬が提供され、Lトークンは他のプロジェクトに再度ステーキングして追加報酬を得ることも可能です。

流動性が追加された後、ユーザーは当該プールを通じて信用取引を行うことができます。例えば、ユーザーの元本が200BUSDで、bGST3倍でロングポジションをとる場合、400BUSDをレンディングプールから借り入れる必要があります。bGSTの価格が上昇すると、システムは自動的にそれを計算し、ユーザーが利益を得るために清算した後、その貸出分とその利息を返済します。一方、bGSTが下がれば、その逆も然りです。

OpenLeverageは、DEXから提供されるリアルタイムのAMM価格を計算に使用していることに留意しなくてはなりません。プール内の流動性が低い場合、その価格は大きく変動する可能性があります。フラッシュローン攻撃を防ぐため、OpenLeverageプロトコルは貸出と返済を同じブロック内で完了させることができず、ユーザーはポジションのオープンとクローズを別々のブロックで行わなければなりません。

  • データ提供元:CoinMarketCap

信用取引市場は、まだ十分に整備されていないとはいえ、巨大な市場として成立しています。現在トップのシェアを誇るdYdXを例にとると、わずか24時間で4億6700万ドルの取引高に達しています。数日前、dYdXはCosmosに移行することを正式に発表しました。詳しくは “Cosmos SDKを使用、dYdXがイーサリアムからの脱出を決めた本当の理由とは?“をご参照ください。また、ガバナンストークンであるDYDXトークンは、しばらくはユーティリティの提供がないとされています。OpenLeverageはこれを機にETHユーザーを獲得することが期待されており、dYdXと比較すると、自社トークンOLEの複数のユーティリティに加え、パーミッションレスでの上場が可能という大きな特徴を持っています。

OpenLeverageプロトコルは、UniswapやPancakeswapといった主要なDEXの流動性を利用しています。これらのDEXの取引ペアは、OpenLeverageの証拠金取引に追加することができます。一方、dYdXのコミュニティ意思決定では、長期的な流動性を追加する前に、まず取引ペアの上場を確認するための投票が必要です。

公式サイトによると、過去3カ月間のOpenLeverageの取引高は6億9900万ドル、TVL1300万ドル超、ユーザー数は2万7000人を突破したとのことです。

2. トケノミクス

OpenLeverageのガバナンストークンはOLEで、総供給量は1,000,000,000です。その分布は以下の通りです。

9.6%:エコシステム開発部門へ

17%:創業者、従業員、アドバイザーへ

28.4%:OpenLeverage財団の過去の出資者へ

45%:DAO treasuryとして、過去の報酬、取引、融資、xOLEホルダーへの報酬、イベントなど、これら以外にもコミュニティのインセンティブなど多岐に使用される予定

OLEトークンのルールやその他の情報は、正式発表後に更新されます。

3. 投資家について 

数日前、OpenLeverageはBinance LabsとCrypto.comから戦略的ラウンドの出資完了を発表しました。資金調達額は公表されていません。公開された情報によると、これまでに180万ドルのシードラウンドを完了しており、LD Capital、Signum Capital、FBG Capital、YBB Foundation、Continue Capitalといった機関からの出資を受けています。

4. トークン・ユーティリティ

OLEトークンのユーティリティは以下の通りです。

1. ガバナンス:トークン保有者は、ガバナンスの提案への議決権を所有するものとし、信用取引から手数料を受け取り、その他権利を享受することができます。

2. ステーキング:流動性マイニングのためのLPをステーキングできます。将来的には、OLEトークンの時間加重ステーキングモデルが登場し、L-OLEトークンがガバナンスのための投票やインセンティブ配布に使用される予定です。

利点 

1. 取引契約の作成が無制限

DEXで利用可能な取引ペアであれば、誰でもレンディングプールを作成することができます。

2. 利息の獲得

貸し手は、他のトレーダーから借りた資産をレンディングプールに預けておくことで、利息を得ることができます。。

3. 豊富な商品数

トレーダーは、ワンクリックでDEXから数百の取引ペアを利用することができます。

4. ユーザーは清算人になることを申請可能

取引の担保比率が市場の上限を下回る場合、清算人はリターンを得るために清算を自動で行うことができます。

5. 動作原理と先物取引の安全性

OLEトークンのレンディングのメカニズムは単一通貨での貸出であり、各レンディングプールは独立しています。同じブロック内、同じ取引ペアで、同じユーザーが同時にショートとロングポジションを建てることができないよう規定されており、トークンを賭けるユーザーの保護とフラッシュローン攻撃を回避するための措置がとられています。

6. 安全性と監査

CertikとPeckshieldの二重監査を完了しました。

リスク分析 

DEXに登場する多くの取引ペアは、良好な流動性と取引量を持ち合わせており、急成長中のロングテール市場を形成しています。DEXの流動性を組み合わせたパーミッションレスなレンディングおよび信用取引プロトコルとして、OpenLeverageはロングテール市場により良いサービスを提供することができます。しかし、OpenLeverage は AMM DEX プールを使用しているため、その手数料は中央集権型取引所と比較して特別利点があるわけではありません。現在の市場環境では、ユーザーは取引やステーキングのためにここに殺到することがほとんどであり、APRが減少した後もユーザーにとって魅力的であるかどうかは未知数であると言えます。当該プラットフォームには優れた商品が多数があるので、ユーザー体験と経済的な安全性を高めてこそ、プラットフォームは成功することができるのではないでしょうか。

注:当該記事は、OpenLeverageの公式情報およびオンライン公開情報に基づいて作成・校正されています。当該記事は共有を目的としたものであり、投資アドバイスを提供するものではありません。

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