Bitwiseは、機関投資家の買い、希少資産への需要、規制の明確化を背景に、ビットコインが2026年末に10万ドルを上回る可能性を示しました。一方、LO:TECHはインフレと金利見通しを踏まえ、8万5,000〜9万5,000ドルを基本レンジと見ています。年末の価格見通しは、長期的な需要と金融政策、投資資金の継続をどう見るかで分かれています。
- Bitwiseは2026年末10万ドル超の可能性を示しました
- LO:TECHの基本レンジは8万5,000〜9万5,000ドル
- 9万ドル超でLaser Digitalが示す買い戻しの可能性
- CoinSharesは111億ドル流入後の新規買いを焦点に挙げます
Bitwiseが挙げる年末10万ドル超の三要因
暗号資産運用会社Bitwiseの調査責任者ライアン・ラスムッセン氏は、ビットコインが2026年末に10万ドルを上回る可能性があるとの見方を示しています。同氏は、上昇の材料として、上場投資信託(ETF)を通じた機関投資家の買いと企業による購入、インフレや政府債務の拡大を背景とする希少資産への需要、保有リスクの認識を下げる規制の明確化を挙げました。
ただし、同氏は年末までの値動きが直線的になるとはみていません。10月末に想定される米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや11月の米中間選挙を前に、値動きが大きくなる可能性に言及しています。長期の需要要因があっても、金融政策や政治をめぐる短期的な不透明感は、10万ドルを回復する時期を左右する条件になります。
LO:TECHが想定する8万5,000〜9万5,000ドルの年末レンジ
ロンドン拠点の暗号資産取引・市場データ企業LO:TECHの調査責任者アダム・モーガン・マッカーシー氏は、年末までの基本シナリオを8万5,000〜9万5,000ドルの取引レンジとしています。米連邦準備制度理事会は9月に政策金利を0.25ポイント引き上げ、10月14日に公表された消費者物価指数は前月比0.6%、コア指数は同0.3%上昇しました。こうした物価動向が、金利見通しを通じてビットコインの上値を抑える要因になるとの見方です。
同氏は、年末に10万ドルへ戻るには、12月の追加利上げ予想が据え置きの見方へ移ることが必要だとしています。その前提として、原油価格とインフレの鈍化を挙げました。ここで示されているのは価格の確定予想ではなく、金融政策の見通しが変わった場合に上値余地が生じるという条件付きの見立てです。
レバレッジ縮小と資金流入に残る上値の条件
野村グループの暗号資産部門Laser Digitalでデリバティブ取引を担当するルカ・インベルニッツィ氏は、年末にかけてビットコインが長期国債利回りなどのマクロ要因に左右されるとの見方を示しました。夏の安値からの反発については、取引量の薄さ、ETF流入の減速、企業による買いの鈍化を理由に、確信を持てないと説明しています。一方で、ビットコイン市場では過度な借り入れを使った取引が概ね解消され、投機的な過熱の多くがアルトコインへ移ったとしました。
LO:TECHのアダム・モーガン・マッカーシー氏は、積み上がった強気ポジションが減ったとみています。無期限先物(満期のない仮想通貨先物取引)の買い手と売り手の間で支払われる資金調達料はゼロ近辺かマイナス圏にあると説明しました。8月の上昇は新たな強気ポジションの積み増しではなく、弱気ポジションの解消が主因だったとの見方です。こうしたポジション状況は、強制的な売りの材料を減らす一方、上方向への買い戻しの余地を残すとしています。インベルニッツィ氏は、9万ドルを明確に上回れば、売り持ちの買い戻しが起こる可能性があるとみています。
CoinSharesの調査責任者ジェームズ・バターフィル氏は、7月中旬以降に投資商品へ111億ドルの資金流入があった後、流入ペースが鈍化したと指摘しました。同氏は、持続的な上昇には新たな買いが必要だとしています。年末10万ドルをめぐる見方は、長期の需要要因だけでなく、インフレ、金利、投資資金の動きという短期の条件をどう見るかで分かれています。
