MetaMaskがインフラの一部に関するセキュリティインシデントを受けて影響を受けたバリデータ(Ethereumの取引確認を担う参加者)の予防的な退出を進める中、Ethereumのステーキング退出待ち行列は月曜日時点で約78万6,000ETH、推定約14日となりました。退出速度の上限により、ステーキングからETHを引き出すまでの手続きが長期化する状況を示しています。
- 退出待ち行列は10月2日に約85万1,000ETHまで拡大しました。
- 月曜日時点で約78万6,000ETH、推定待ち時間は約14日です。
- 日量約5万7,600ETHの退出上限と手続き上の待ち時間
- Lidoが示した、再ステーキングに最大45日の見通し
10月2日に約85万1,000ETHへ拡大した退出待ち行列
EthereumのステーキングからETHを引き出すための退出待ち行列は、9月29日の約16万6,000ETHから10月2日には約85万1,000ETHへ増加しました。ステーキングとは、ETHをネットワークの運営に預けて報酬を得る仕組みです。10月2日の待ち行列は、ステーキング中の4,360万ETHの約2%に当たり、5月に記録した約47万6,000ETHも上回りました。
月曜日のアジア時間朝には、約78万6,000ETH(20億ドル超)がなお退出を待っており、推定待ち時間は約14日でした。待ち行列の急拡大は、MetaMaskが同社インフラの一部に関するセキュリティインシデントを受け、予防措置として影響を受けたバリデータを停止・退出させ始めた時期と重なります。
MetaMaskは9月30日にインシデントを開示し、10月1日の更新で、ウォレットや顧客資金への影響を示す証拠は見つかっていないと説明しました。Ethereumのセキュリティ研究者Kaden氏は、予防的な退出の対象を約1万7,000のバリデータ、約52万3,000ETHと試算していますが、この数値はMetaMaskが確認したものではありません。
退出速度の上限とウォレット受取までの手順
ステーキングでは、保有者がETHをバリデータに預け、バリデータがEthereum上の取引確認を担います。Ethereumはネットワークの安全性が急に変わらないよう、バリデータが参加・退出できる速度に上限を設けています。現在の上限では、1日に参加できるETHと退出できるETHはそれぞれ約5万7,600ETHです。
このため、退出希望が短期間に増えると、処理を待つETHが行列に積み上がります。バリデータの退出後も、ETHは保有者のウォレットへ届く前に別の引き出し手続きを経ます。約14日という待ち時間は、退出待ち行列に並ぶ段階の推定です。
Lidoの再ステーキング見通しと参加待ち行列の減少
MetaMaskはウォレット事業に加え、利用者のETHをまとめてステーキングするLido向けのバリデータも運用しています。Lidoは、影響を受けたバリデータのETHが退出と引き出しを経て段階的に再ステーキングされるとの見通しを示し、全体の手続きには最大で約45日かかる可能性があるとしています。停止中のバリデータは、その間の報酬を受け取りません。
Lidoは、利用者の持ち分を示すトークンであるstETHの保有者に対応は不要だと案内しました。また、影響を受けたMetaMaskのバリデータは10月7日までにステーキングを停止し、その後に再参加の待ち行列へ加わる見通しです。
一方、退出待ち行列とは別に、ステーキングへ新たに参加するための待ち行列は縮小しています。月曜日時点では約150万ETH(約40億ドル)が参加を待ち、推定待ち時間は約25日でした。9月初旬には約200万ETH、約35日の待ち時間だったため、参加待ちのETHは4分の1超減少しています。
