イーサリアムのテストネット統合は最終段階に入っており、その後ETH2.0のメインネットワーク統合が行われ 、イーサリアムネットワークは正式にPoS時代に突入します。
MEXCは3月18日に「Understand The ETH Merge and Its Possible Market Impacts」という記事で、『ETH2.0のメインネット統合の主な懸念点は、「ETHのデフレ時代の到来」だ』と指摘しました。
イーサリアムの共同創設者であるVitalik Buterin氏がメディアのインタビューで、「Etherの価格は、市場の観点だけでなく、心理的、シナリオ的観点からも、統合の前後ですぐに上昇することはない」と述べていました。
しかし、ETH2.0のメインネットの統合は、ETHトークンに影響を与えるだけではなく、イーサリアムエコシステム上のトークンの価格上昇、Layer2銘柄の市場流通の加速、ETCチェーンがPoWマイナーの代替となること、またマイナーはイーサリアムをハードフォークすることなど、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。
以下は、MEXC ResearchがETH 2.0のメインネット統合に関して分析したものです。
最初に影響を受けたのは流通市場のイーサリアム上のエコプロジェクトで、MEXC Researchによると、7月13日から7月29日まで、20以上のイーサリアムエコシステムの暗号資産が大きく上昇し、LDO、OP、ETC、CELR、ENSなど、それぞれ278%、256%、220%、100%の上昇率を記録しました。 一方、ETHは6月17日の881USDTの安値から1,783USDTまで反発し、最大上昇率は102.4%を記録しています。
イーサリアム上のLayer2プロジェクトであるOptimism(OP)は、いち早くトークンを発行しており、5月31日にMEXCで初上場しました。 上場後、暗号資産市場全体に悲観ムードが漂う中、一時0.39USDTまで下落しました。しかし、今までの最高値は1.96USDTで、402%の回復を記録しています。
一方、7月14日にStarkWareはトケノミクスを発表し、9月にトークンをリリースすることを明らかにしました。その後、zkSyncはロードマップを公開し、zkSync 2.0が100日以内にメインネットにローンチする予定です。 そして、EVMスマートコントラクトのZKプルーフは秋に発表され、10月にプロジェクトの新規登録が開始される予定です。
弱気市場が続く中で、イーサリアムチェーン上の4大Layer2プロジェクトの中には、トークンの早期上場を躊躇する風潮が流れるのも無理はありません。しかし、ETH2.0のメインネットが統合することは、4大Layer2プロジェクトがトークン上場に力を入れるタイミングでもあると言えます。資金調達を完了した背景の中、ETH2.0のメインネット統合は、8月~11月の間で、トークンを上場させるいいタイミングだと指摘する分析者もいます。
イーサリアムテストネットワークの統合がもたらす他の2つの影響は、イーサリアムクラシック(ETC)がPoWマイナーの代替となる可能性と、一部のイーサリアムマイナーが、イーサリアムをハードフォークする点にあります。
ETH2.0の統合は、イーサリアムクラシックの価格を上昇させる可能性があります。それは、イーサリアムクラシックは今の主流のパブリックチェーンの中で唯一残っているPoWチェーンの一つであるからです。 しかし、ある分析では、今のETC価格から見ると、ETHのマイナーがその計算能力をすべてETCネットワークに「絞り込む」のだとすれば、マイナーのマイニングコストに見合うようにETCの価格が上昇しなければ、回収サイクルが長くなると指摘しました。
しかし現状では、イーサリアムクラシックのエコシステム上は、プロジェクトが極めて少なく、TVLも何十万ドルに過ぎません。さらに、ネットワーク全体のセキュリティも脆弱で、二重攻撃のコストは20~30BTC程と言われています。
また、イーサリアムのハードフォークは、技術的な問題だけでなく、開発チームやエコシステムのプロジェクト、資金調達などの「フォーク」も含まれるため、短期的な誇大広告に過ぎないかもしれません。過去の経験から、フォークされたプロジェクトは結局問題なく終了すると推測されます。
また、ETH 2.0のメインネット統合による暗号資産市場の底上げ効果は、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを減速または縮小することが前提条件となっています。
昨年のジャクソンホール(Jackson Hole)会議以降のインフレ政策から引き締め政策への転換(カーブのキャッチアップ)が終結に近づいたので、今私たちが期待すべきなのは、8月のジャクソンホール会議で構築する新しい中期政策です。 今の市場がはっきりさせたいのは、今回の利上げの終着点(ターミナルレート)がどこにあるのかということです。
昨年度:
テーパー(Taper)(資産購入額減少、負債規模ピークに)→テーブル拡張終了→利上げテーパー/利上げ加速→ワイド→タイト
の3ステップで
今年後半:
FRBによる利上げのテーパー(振幅減少、終値近く)→政策金利ピーク→来年は利下げ始める、というルートです。
ETH2.0メインネット統合、4大Layer2の全体的な再構築、FRBの金融政策といったことが集中的に絡み合い、互いに影響を及ぼします。 後者が利上げの影で経済的な悪材料をできるだけ与えることなく実施できれば、ETH2.0のメインネット統合、4大Layer2の全体的な再構築は暗号資産市場の回復に貢献します。言い換えれば、ETH2.0メインネット統合、4大Layer2の再構築は弱気市場の中で独立したイベントとなり、そこにはある程度の市場リスクも潜んでいます。
注記:この記事は情報共有のみを目的としており、投資アドバイスを提供するものではありません。市場のリスクには常にご注意ください。
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