インドの暗号資産取引所CoinDCXは、廃止済みウォレットに届いた入金を主要ウォレットへ移す資金集約処理が停止し、旧アドレスに入金が滞留したと説明しています。同社は、10月21日にTron上で起きた資金移動を含む事案で1,599万USDTの損失を自社で負担したとしています。顧客残高は入金時点で反映済みで、CoinDCXは稼働中のウォレットと取引システムに影響はないと説明しています。
- 旧アドレスへの入金を移す資金集約処理が特定期間に停止
- 10月21日のTron上の資金移動を含む事案で1,599万USDTを自社負担
- 顧客残高は入金時に反映済みとCoinDCXは説明しています
- 稼働中のウォレットと取引システムへの影響なしとのCoinDCX説明
残高反映済みの入金が旧アドレスに残った経緯
対象のアドレスは、CoinDCXが2025年7月のセキュリティ事案後に廃止した旧運用ウォレットの一部です。CoinDCXによると、廃止後も一部の顧客がこれらのアドレスへ資金を送付しており、同社は資金が到着した時点で顧客の残高へ反映していました。
通常は、旧アドレスに届いた入金を主要ウォレットへ移す資金集約の処理が続きます。しかしCoinDCXは、特定の期間にこの処理が動作せず、顧客残高を反映済みの入金が旧アドレスに滞留したと説明しています。
10月21日の資金移動とCoinDCXが示した損失の位置付け
CoinDCXは、顧客残高への反映後に旧アドレスへ残った入金に関係する資金が、10月21日にTronネットワーク上で移動したと説明しています。同社は、この資金移動を含む事案について1,599万USDTの損失が生じ、自社で負担したとしています。金額はおよそ1,600万ドルに相当します。
同社の説明を順にすると、顧客の残高は入金時に反映された一方で、その入金は資金集約の停止によって旧アドレスに残りました。CoinDCXは、その状態で起きた10月21日の資金移動を含む事案を損失として位置付けています。資金集約の停止そのものと資金移動は別の事実ですが、同社は両者を1,599万USDTの損失に至る経緯として結び付けています。
CoinDCXは、資金移動の相手先や具体的な手段を明らかにしていません。同社はこの事案をハッキングとは表現しておらず、調査を続けています。不審な資金流出が指摘された当初、共同創業者兼CEOのスミット・グプタ氏は、CoinDCXのウォレットは侵害されていないとして問題を誤報と表現していました。その後、CoinDCXは旧運用ウォレットの内部処理に関係する損失であると説明しました。
顧客資産への説明と追加の開示方針
CoinDCXは、顧客残高、稼働中のウォレット、取引システムは影響を受けていないと説明しています。顧客資産は分離されたコールドウォレットで保管されているともしています。
今回の旧運用ウォレットは、CoinDCXが約4,400万ドルの損失を受けた2025年7月のセキュリティ事案後に廃止したものでした。同社は、廃止済みインフラの確認と経緯の把握に時間を要したとした上で、調査の進行に合わせて追加の詳細を共有する方針です。
