耐量子セキュリティ企業のProject Elevenは、デジタル資産向け保険を手掛けるRelm Insuranceを機関向けカストディ製品「Strongpoint」の開発パートナーに加え、将来の量子コンピュータに備える対策を保険引受でどう評価できるか共同で検討します。保険料の割引や新規契約、適用時期は示されておらず、鍵管理や署名の移行準備を保険評価と結び付ける探索段階です。
- Project ElevenとRelmがStrongpointで共同検討。
- Strongpointで鍵管理と署名承認、移行準備を確認。
- Relmの保険料・新規契約・適用時期は未公表です。
- Strongpointは10月7日にZcash Foundationを最初の開発パートナーとして開始。
- 量子対応の引受評価はRelmの追加判断が焦点。
Project ElevenとRelmによる量子リスク評価の共同検討
耐量子セキュリティ企業のProject Elevenは、デジタル資産向け保険を手掛けるRelm Insuranceを、機関向けカストディ製品「Strongpoint」の開発パートナーに加えました。両社が示した内容では、将来の量子コンピュータに備えるために機関が講じる対策を、デジタル資産の保険引受で評価できるかを共同で検討します。
両社はこの取り組みを、ポスト量子セキュリティをデジタル資産保険の価格設定要素として検討する初の連携と位置付けています。ただし、検討は探索段階です。保険引受や保険料への影響は今後の評価とRelm自身の引受手続きに左右されるとしており、保険料の割引、新たな保険契約、適用時期は示されていません。
鍵管理・取引承認・移行準備に関する確認項目
共同検討では、機関の鍵がどの程度リスクにさらされているか、取引の署名と承認をどのように行うか、移行への準備状況、外部ベンダーへの依存関係を確認する予定です。Relmは、Strongpointのセキュリティ管理策や監査可能性、利用者がポスト量子暗号への準備を保険会社に示す際の根拠となる情報についても、設計面から意見を提供します。
カストディは、デジタル資産の鍵や送金承認を管理する仕組みです。十分に大規模な量子コンピュータが実現した場合、すでに公開されている公開鍵から資産を管理する秘密鍵を理論上導き出せる可能性があるため、鍵管理と署名の移行準備が今回の検討対象になっています。
Strongpointの署名方式と機関保管で残る条件
Project Elevenは10月7日、Zcash Foundationを最初の開発パートナーとしてStrongpointを開始しました。同製品は従来型とポスト量子型の署名を並行して扱い、機関の承認ルールや監査記録を暗号方式から分けて管理する設計です。このため、署名アルゴリズムを切り替える場合でも、承認ルールや監査記録を組み直さずに対応できるとしています。
RelmのJoseph Ziolkowski最高経営責任者は、量子コンピューティングを現在のリスク評価に反映すべき新たな脅威の一例と捉えています。今回の共同検討では、各機関がリスクへのさらされ方を把握し、有効な管理策を示し、ポスト量子対応への移行を準備する方法を扱う予定です。保険料や保険引受の扱いが実際に変わるかについては、評価の進展とRelmの引受判断が条件となります。
