BlackRockは、AIエージェントによる旅行予約やデータ購入が広がれば、暗号資産への需要の新たな源泉になり得るとの見方を示しました。Binanceは10月5日、AI層「Binance Intelligence」の3機能を発表しました。両者は決済構想と取引所機能を別の観点から示しています。
- BlackRockがAIエージェント向け決済基盤を展望
- Binanceが10月5日に3製品を発表
- Binance AI Proは数週間以内の提供予定
- BlackRock構想とBinanceの3機能が示す異なる段階
BlackRockが示したマシン間取引の決済基盤
BlackRockの報告書「The Machine-Native Economy」は、AIエージェントが自律的に旅行を予約し、データを購入し、計算資源を利用するようになれば、暗号資産への需要の新たな源泉となり得るとの見方を示しました。
同報告書は、カードネットワークや自動清算機構では、人による利用開始手続き、少額決済に見合いにくい手数料、決済と最終確定までの時間が課題になると指摘しています。これに対し、ブロックチェーンを使う決済基盤は、API呼び出し、必要な時に購入するデータや計算資源を含む、24時間の高頻度なマシン間取引に適すると位置づけました。
ステーブルコインとビットコインに想定された役割
報告書は、Bitcoin Policy Instituteの研究で行われた管理されたシミュレーションにも言及しています。このシミュレーションでは、日常の支払いにはステーブルコイン、長期の価値保存にはビットコインが概ね選ばれたとされます。
BlackRockはこの結果を、ステーブルコインを取引時の通貨、ビットコインを価値保存の手段とする、AIネイティブな通貨体系の可能性として扱いました。さらに、AIの利用とエージェント型システムの能力が広がる場合、ステーブルコイン、トークン化された資産、ブロックチェーン決済を支える暗号資産の有用性が広がり得ると述べています。
Binance Intelligenceを構成する3つの製品
Binanceは10月5日、Binance AI、Binance AI Pro、Agent OSから成るAI層「Binance Intelligence」を発表しました。Binance AIは一般利用者向けの機能で、市場ブリーフの作成、保有資産や関心に応じた情報の調整、アプリ内の状況に応じた説明を行うとしています。対象となるニュージーランドの利用者への提供から始め、その後に展開を広げる計画です。
Binance AI Proは、上級利用者が自然言語で示した取引アイデアを、コードを書かずに視覚的な戦略ワークフローへ変換する機能です。提供開始は数週間以内とされています。Agent OSは開発者向けの基盤で、外部のAIエージェントを取引所のデータ、流動性、各種サービスへ接続できるようにするものです。
自然言語の戦略作成と利用者に残る責任
Binance Intelligenceでは、情報の確認にとどまらず、取引戦略の作成や外部エージェントとの接続までを対象にしています。BlackRockの報告書がAIエージェント向けの決済・資産インフラという将来像を扱ったのに対し、Binanceの発表は取引所で提供する機能を示したものです。
Binanceは収益を約束しておらず、実際に使う戦略とリスクの設定は利用者が担うとしています。自然言語からの戦略作成やAgent OSは自動化の手順を扱う機能であり、取引結果を保証するものではありません。
