Anthropicが9月28日に公開したClaude Sonnet 5.5は、コーディング系ベンチマークで上位モデルのOpus 5.5を上回りました。表示価格はSonnet 5から据え置きですが、effort設定によって実効費用の見え方が変わります。
- Anthropicが9月28日にSonnet 5.5を公開しました
- Terminal-Bench 4.0でSonnet 5.5は70.6%
- 入力2ドル・出力10ドルでOpus 5.5の半額
- max effortでは19万3000トークン消費が焦点
Sonnet 5.5の公開とTerminal-Bench 4.0での逆転
Anthropicは、Claude Sonnet 5.5をClaude Sonnet 5のアップグレードとして公開しました。同社は、前世代より30%以上高速になったと説明しています。Sonnet 5.5は中位モデルに位置づけられますが、コーディング系の指標では自社の上位モデルを上回りました。
Terminal-Bench 4.0は、AIエージェントが自力でコマンドを入力し、複雑な専門タスクを完了できるかを見る試験です。Anthropicの計測では、Sonnet 5.5のスコアは70.6%で、Opus 5.5の66.4%、Sonnet 5の10.3%を上回りました。Artificial Analysisの独立計測でも、Sonnet 5.5は63.6%、Opus 5.5は59.6%、OpenAIのGPT-6 Astraは59.1%でした。
Artificial Analysisが投稿した計測では、Claude Sonnet 5.5 maxがTerminal-Bench 4.0とTerminal-Bench-Scienceの上位モデル群に入りました。同計測のTerminal-Bench 4.0では64%で、Claude Sonnet 5 maxから50ポイント上昇し、Opus 5.5とGPT-6をわずかに上回ったとされています。
据え置き価格とトークン消費で変わる費用
Sonnet 5.5の価格は、入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルです。トークンとは、AIが読み書きする文章の小さな単位です。この価格はSonnet 5から据え置かれ、Opus 5.5の半額にあたります。
ただし、表示価格だけでは実際の費用を判断しにくい点があります。effort設定は、モデルがより長く考える代わりに精度と費用が上がる設定です。Anthropicは、Sonnet 5.5がHigh effortでFrontierCodeにおけるGPT-6 Sol相当の結果を、タスクあたり約5分の1の費用で出すとしています。
一方で、Artificial Analysisはmax effortのSonnet 5.5について、テストタスクあたり約19万3000トークンを書き、同社が計測したモデルで最多だったとしています。これはOpus 5.5より約60%多く、タスクあたり7.60ドルで、Sonnet 5より約50%高い水準です。Anthropicが示す節約効果は、同社アプリの標準であるMedium effortなど、低めの設定に基づく説明と分けて読む必要があります。
総合順位と複雑作業で残るOpus 5.5の位置づけ
Artificial Analysisは、Sonnet 5.5を総合順位でOpus 5.5に次ぐ2位としました。コーディングの一部指標ではSonnet 5.5が上回る一方、総合評価ではOpus 5.5が上位に残っています。
実務に近い専門作業を44職種で評価するGDPval-AAでは、Sonnet 5.5が1844、Opus 5.5が1846で、ほぼ同等とされています。GPT-6 Solは1487でした。Anthropicは、Opus 5.5が長い判断を必要とする複雑な作業では明確に強いとも説明しています。
Artificial Analysisの計測には、公開前ビルドにバグがあったという条件もあります。Anthropicは、その影響は小さいか、スコアをわずかに低く見せた程度だと見ています。したがって、今回の比較は「コーディング性能での上回り」と「総合順位・複雑作業でのOpus 5.5の優位」を分けて整理する必要があります。
競合価格とClaude Haiku 5.5の予定
競合モデルの価格も同水準に寄っています。OpenAIは前週、GPT-6 Solを入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルに引き下げました。中位モデルのGPT-5.6 Terraは、入力2ドル、出力12ドルです。Anthropicは、Terraとのベンチマーク比較は示していません。
Anthropicは、日常タスク、バグ修正、文書・スライド・スプレッドシート作成、デザイン確認をSonnet 5.5の強みとして挙げています。大量利用や費用に敏感な用途向けのClaude Haiku 5.5は、今後数週間以内に投入予定とされています。
