9月29日のBTCは8万2500ドル付近を割り込まず反発しましたが、8万5000ドル近辺では売り圧力が残りました。米現物BTC ETFへの流入が下支えとなる一方、米長期金利と利上げ観測の高止まりが上値を抑えています。短期の焦点は、ETF需要がマクロ圧力をどこまで吸収できるかです。
- BTCは8万2500ドル付近を維持しました
- 8万5000ドル近辺の売り注文が反発を抑制
- 米10年債5.23〜5.27%台が重荷
- 米現物BTC ETFに8営業日で約30億ドル流入
- PCEと9月雇用統計が次の焦点
8万5000ドル付近で上値を抑えた売り圧力
BTCは9月29日の取引で、一時8万4540ドル付近まで戻したあと、8万3000ドル台へ押し戻されました。別時点では8万2500ドル付近で買いが入り、8万4000ドル前後へ戻す場面もありました。価格の引用時点には数時間のずれがありますが、共通しているのは、8万5000ドル近辺の上値の重さと、8万2500ドル付近を割り込まなかった点です。
取引所の注文状況では、8万5000ドル付近に売り注文が厚いとされました。Glassnodeは、長期保有者の保有分(半年以上動いていないビットコイン)が8万4000〜8万5000ドル付近に多く、価格が同水準を上回る局面では利益確定が出やすいと分析しています。
需要面では、米現物BTC ETF(ビットコイン価格に連動する上場投資信託)に8営業日連続で約30億ドルの流入があったとされ、価格が大きく崩れなかった背景として機関投資家需要を挙げる分析もあります。
長期金利と原油高が非利回り資産へ与えた圧力
同じ時間帯に米国債市場では、10年債利回りが5.23〜5.27%台、30年債利回りが5.58〜5.60%付近で推移しました。10年債は2007年以来、30年債は2002〜2004年以来の高水準とされます。
利回りが高くなると、保有しても利息を生まない資産に求められる上昇余地のハードルも上がります。BTCや金はこの文脈で比較され、金は月曜に3.6〜4%安の1オンス4115ドル付近まで下げた一方、BTCの下げは相対的に小さくとどまりました。
原油も材料です。Brent原油は中東情勢を背景に100ドル超へ上げた後、火曜には104ドル割れへ下げました。先物市場の織り込みとして、10月の0.25ポイント利上げ確率が70.3%と、1週間前の55.4%から上がったという材料もあります。8月の個人消費支出(PCE)価格指数と9月雇用統計は、金利見通しを左右する材料として意識されています。
6%予想と天井接近で分かれる金利上昇の解釈
長期金利の上昇がBTCに与える意味については、見方が分かれています。10x Research創業者のMarkus Thielen氏は、10年債利回りが今後数カ月で6%へ上がると予想したうえで、上昇の理由が重要だとしました。財政赤字や債務拡大、長期債を持つ不確実性への上乗せ分であるタームプレミアムが主因なら、政府債務への不安を反映し、BTCや金のような代替資産に追い風になり得るという整理です。
一方、FRBの急な引き締め再開が利回りを押し上げる場合は、2022年のようにBTCに逆風となる可能性があります。同年は10年債利回りが3.88%へ上がるなか、BTCは64%下落しました。
別の見方として、Lumida Wealth創業者兼CEOのRam Ahluwalia氏は、足元の債券売りをテクニカルなパニック売りに近い動きと述べ、利回りは近く天井を打ち、金利が一段と急拡大するとは見ていないと説明しました。このため、BTCの短期的な確認点は、8万5000ドル近辺の売り圧力をこなせるかと、米インフレ・雇用指標が利上げ観測をさらに強めるかにあります。
