Aztec Labsは、自己管理型ウォレットzk.moneyを再始動しました。Aztec Network上では送金額、残高、受取人を隠せますが、Ethereumからの入金情報は公開されたままで、Alpha版の上限や未監査ソフトウェアの条件も利用時の焦点になります。
- zk.moneyがAztec Network上で再始動
- Ethereum入金は送信者と金額が公開
- 2,500ドル未満上限と1日5万ドル枠
- V5欠陥修正前の未監査Alpha版
Aztec Network上で残高・送金額・受取人を秘匿
Aztec Labsは、プライバシー機能を持つウォレット「zk.money」を再始動しました。zk.moneyは、Aztec Networkを使い、送金額、残高、受取人を隠しながら、bob.zk.moneyのような読みやすい名前や支払いリンクで送金できる仕組みです。
通常のEthereumウォレットでは、アドレスを知っている人が残高や過去の送金履歴を確認できます。これは、事業者の支払い先や個人の支出履歴が外から見える状態につながります。zk.moneyは支払いをAztec Networkへ移し、Ethereumとつながりながら、以後の取引情報を見えにくくします。
Aztec Labsは、zk.moneyを自己管理型ウォレットと説明しています。運営者は、ウォレット内の資金を使ったり凍結したりできないとしています。Joe Andrews CEOは、個人間のブロックチェーン上の取引が金融履歴を世界へ公開することを意味すべきではないとの考えを示しました。
Ethereumからの入金は公開、内部通貨はDAIのみ
利用者はEthereumからDAI、USDC、USDTを入金できます。USDCとUSDTは入金時にDAIへ変換され、zk.money内で使う通貨はDAIだけです。Andrews氏は、Ethereumで使われる大衆向けステーブルコイン(米ドルなどに価値を連動させる暗号資産)の中でDAIが最も分散的だと考えているため、DAIを選んだと説明しました。将来的に別資産を扱う可能性にも触れています。
一方で、Ethereumからzk.moneyへ資金を入れる時点の情報は公開されたままです。Aztecのドキュメントでは、Ethereumからの入金は送信者と金額を明らかにし、Aztec上の受取人は非公開にできると説明されています。つまり、入口の記録は残り、その後のAztec Network上の支払いが隠れる設計です。
Alpha版の上限と手数料、制裁スクリーニング
早期Alpha版では、1回の入金、支払い、出金がそれぞれ2,500ドル未満に制限されます。全利用者で共有する1日の入金枠は5万ドルで、時間とともに回復します。Aztecのドキュメントは、この上限を新しい仕組みを試す間の安全策と位置づけています。
費用面では、入金に35セントとEthereumの手数料、出金に20セントがかかります。zk.money内では、1日100回分の取引手数料補助が用意されます。ただし、ネットワーク手数料をまかなう仕組みの残高が不足した場合や、その時点の手数料を支払えない場合、支払いは待機になります。
zk.moneyは、入金と出金に使うEthereumアドレスを制裁ポリシーに照らして確認します。この審査は利用時の条件であり、Aztec Network上の支払い情報を隠す仕組みとは別に置かれています。
未監査ソフトウェアとV6修正までの移行
zk.moneyの再始動は、初期Alpha段階のネットワーク上で進みます。Aztecのドキュメントは、ソフトウェアが完全な監査(安全性を点検する手続き)を終えておらず、重大な不具合が起きる可能性があると警告しています。
Aztec NetworkのV5証明システム(取引の正しさを確認する仕組み)では、8月に重大な欠陥が公表され、V6で修正される予定です。今回のzk.moneyの説明では、その発見を受けた具体的な安全策は示されていません。Andrews氏は、修正前にzk.moneyを開始し、Oxideという別システムでネットワークソフトウェアの不具合による支払いエラーを確認すると説明しました。
旧zk.moneyは2021年に始まり、2024年に閉じられました。Aztec Labsによると、停止前には7万5,000超のウォレットに使われ、1億ドル超を処理しました。利用者は修正版のネットワークが用意されると、更新後のネットワークへ移れるとされています。
