9月28日のビットコインは一時82,500ドル台まで下落し、83,000ドル前後で推移しました。同じ局面で原油高と米国債利回り上昇が進み、先物の持ち高縮小も短期の市場環境を測る材料になっています。
- 9月28日のBTCは82,500ドル台まで下落
- 米10年債5.255%と原油高が重荷に
- 先物建玉は65万BTC台へ縮小
- PCEと米雇用統計が次の焦点です
83,000ドル前後までの下落とアルトコインへの波及
9月28日のビットコイン(BTC)は、週初の84,455ドルから一時84,972ドルまで上げた後、82,580ドルまで下落し、82,933ドル前後で推移しました。24時間では約1.8%安となり、別時点の市場データでも83,000ドル前後への下落が確認されています。
下げはBTCだけに限られません。主要100銘柄で構成される暗号資産指数は2.6%低下し、DeFi関連指数も6.4%下げました。週末に上昇していた一部のアルトコインでは反動が大きく、QNT、GRT、ONDOなどは二桁台の下落率となりました。
取引所の注文板では、85,700ドル付近に3,000万ドル超の売り注文が集まった後、上値追いが止まりました。24時間ではロングポジション約7,000万ドルが清算されており、短期の買いポジションが巻き戻された形です。
イラン情勢・原油高・米国債利回りの同時進行
市場の圧力は、暗号資産市場の内部要因だけで説明されていません。イラン側は国連総会で、ホルムズ海峡を7日間再開し、戦闘を停止したうえで広い交渉に進む提案を示しました。トランプ米大統領はこの提案を拒否し、追加攻撃の可能性についても否定しませんでした。
同じ局面で、ブレント原油は100ドルを上回り、WTI原油も90ドル台半ばで推移しました。原油高はインフレ懸念を強めやすく、米国債利回りも上昇しました。米10年債利回りは5.255%と前日比6.6ベーシスポイント上昇し、30年債は5.565%、2年債は4.933%となりました。
金利上昇は、利息を生まない資産であるBTCや金にとって逆風になりやすい材料です。実際に同じ局面で金は約3%下げ、ドル指数は101を上回りました。10月27〜28日のFOMC(米国の金融政策を決める会合)で追加利上げが行われるとの織り込みは、観測時点により約64%から68%台で示されています。
先物縮小と価格変動保険の落ち着き
先物市場では、慎重姿勢が強まっています。ビットコイン先物の建玉(まだ決済されていない先物取引の残高)は約65万〜65.2万BTCまで減少し、年初ピークの80万BTCから縮小しました。
資金調達率(上がる方向と下がる方向の取引の偏りをならすため、片方がもう片方へ支払う費用の割合)も主要取引所平均で約マイナス0.3%でした。マイナス圏では、下落方向の取引を維持する側が費用を払う形になり、残っている取引の偏りは弱気寄りと読まれます。
一方で、オプション市場では急落への保険を大きく買い込む状態にはなっていません。VolmexのBTC30日インプライドボラティリティ指数BVIVは37前後で、2026年安値の35に近い水準です。米国債市場の変動予想を示すMOVE指数が週初の約80から104前後へ上昇したのとは対照的です。
BTCの7日物スキュー(下落に備える取引と上昇を狙う取引の価格差)はマイナス0.45vで、52週中央値のマイナス4.41vより下落保険の割高感が小さい水準でした。先物では持ち高縮小と弱気寄りの偏りが出ている一方、オプション市場では急な深掘りを強く織り込む動きまでは確認されていません。
今週はPCE物価指数(米連邦準備制度理事会が重視する物価指標)と米雇用統計が予定されています。原油価格、米国債利回り、追加利上げの織り込み、先物とオプション市場の持ち高が、BTCの短期的な市場環境を測る材料になっています。
