ZanoはGateway Addressesの脆弱性を受け、Hard Fork 6直前のブロック3,833,000からチェーンを再起動しました。約1カ月分の履歴が巻き戻るため、未承認のZANOとfUSDだけでなく、期間中の正当な取引も復旧後のチェーンから消えます。
- Zanoはブロック3,833,000から再起動
- Zanoの約1カ月分の正当取引も無効化
- 未承認ZANOとfUSD流通の抑制が焦点
- Hard Fork 6後の復旧は取引所更新が条件です
ブロック3,833,000からのZano再起動
Zanoは、Gateway Addressesに関わる脆弱性で未承認のZANOとFreedom Dollar(fUSD)が流通したとして、チェーンをブロック3,833,000から再起動しました。この地点は、問題があった機能を導入した大きな仕様変更であるHard Fork 6の直前に当たります。
Zanoは2019年5月に始まった、プライベート決済を扱う基盤型ブロックチェーンです。標準のプライベート取引では、送信者、受信者、送金額、資産の種類を隠す仕組みを持ちます。ネイティブトークンはZANOで、ユーザーはZano上で独自のデジタル資産を作成・発行できます。Freedom Dollar(fUSD)は、その一つです。
今回の再起動は、ネットワークに接続して記録を共有する参加ノード、マイナー、資産を預けて運営に参加するステーキング参加者、取引所、その他のサービスが更新を採用することで成立します。ネットワークの履歴だけを戻すのではなく、関係する運用主体が同じ復旧後の状態へそろう必要があります。
Gateway Addresses導入後の単一残高管理
Gateway Addressesは、異なるブロックチェーン間の資産移動サービス、取引所、決済サービスがZanoと連携しやすくするための機能です。資金を1つの口座のような残高として扱えるようにし、他のブロックチェーンに近い管理方法を用意する目的で開発されました。
導入前の通常ウォレットでは、資金は1つの残高ではなく、個別の取引出力として追跡されていました。取引所などのサービスは、入金を見つけるためにチェーンを読み取り、使える出力を追跡し、出金処理に使う出力を選ぶ必要がありました。Gateway Addressesはこの運用負担を下げる狙いがありましたが、今回の問題ではこの機能に関わる脆弱性が未承認のZANOとfUSDの流通につながったとされています。
正当な取引の無効化と補償手続き
今回の巻き戻しでは、未承認のZANOとfUSDだけでなく、対象期間に行われた正当な取引も復旧後のチェーンから消えます。約1カ月分の取引履歴が無効になるため、対象期間の取引は回復後のチェーンには表示されません。
一方で、他のブロックチェーンですでに決済された支払いは巻き戻せません。Zano側は損失を把握し、補償と請求の手続きを公表する方針です。ポストモーテムはまだ公開されていないため、脆弱性の詳しい仕組みや未承認流通の数量は示されていません。
Zanoのマーケティング・成長責任者Quinten van Welzen氏は、何もしなければ未承認のZANOとfUSDが制限なく流通し、保有者の持ち分が薄まることや、通貨としての固定供給という約束が崩れることにつながるとの趣旨を述べています。同氏は、Hard Fork 6前からの再起動は1カ月分の履歴と信頼を失う対応だとしつつ、供給を戻して再建の道を残す判断だと説明しています。
