Binanceは、USDC(米ドルに価値を連動させるステーブルコイン)発行企業CircleのClass A株式を1億ドルで取得し、USDCの利用促進に関する5年契約をCircleと結びました。契約では、Circleが特定のウォレット基盤を通じて保有されるUSDC残高に応じた月次インセンティブをBinanceへ支払う形が示されています。
- CircleはBinanceにClass A株123万7,011株を1株80.84ドルで私募発行し、取引は2026年9月17日にクローズしました。
- Binanceは原則2年間、取得株式の売却、移転、ヘッジが制限されますが、議決権は保持します。
- 新契約は2024年11月と2025年8月の既存USDC契約を置き換えるものです。
- 月次インセンティブは、CircleのModular Smart Contract Walletを通じて保有されるUSDC残高の割合に連動します。
2026年9月17日にクローズした1億ドルの私募発行
Circleは、Binanceに対してClass A株123万7,011株を1株80.84ドルで私募発行しました。総額は1億ドルで、取引は2026年9月17日にクローズしています。
発行価格は、取引前のCircle株の市場価格に対して割引された水準とされています。2026年9月17日の終値85.09ドルと比べると、80.84ドルは約5%低い価格です。
この株式は未登録の私募発行で売却されたため、再販売には登録または適用除外が必要になるとされています。Binanceは株式を取得しましたが、すぐに自由に売買できる条件ではありません。
USDC残高に連動する月次インセンティブ
株式取得とあわせて、CircleとBinanceはUSDCの利用促進に関する5年契約を結びました。Circleは、Modular Smart Contract Wallet(条件が満たされると自動で実行されるプログラムを使うウォレット基盤)を通じて保有されるUSDC残高の一定割合を、月次インセンティブとしてBinanceへ支払います。
Binance側は、同社プラットフォーム上でUSDCの利用促進に関する活動を行う契約です。今回の契約では、株式取得と販促契約が同じ取引の中で組み合わされています。
Binance共同CEOのRichard Teng氏は、1億ドルの投資と5年のコミットメントが長期的な確信を示すものだとの趣旨を述べています。Circle共同創業者兼CEOのJeremy Allaire氏は、USDCを通じたドル建て金融サービスへのアクセス拡大に言及しています。
既存契約の置き換えと2年間の譲渡制限
今回の契約は、CircleとBinanceが2024年11月と2025年8月に結んだ既存のUSDC関連契約を置き換えます。契約期間は5年ですが、指定された事由が発生した場合には、いずれの当事者も早期終了できるとされています。
Binanceは原則として、クロージングから2年間、取得したCircle株の売却、移転、担保設定、ヘッジを行えません。ただし、関連会社への移転、取締役会が承認した企業結合、法律上必要な処分などは例外に含まれます。
譲渡制限の期間中も、Binanceは株主としての議決権を保持します。これにより、USDCの流通促進に関する商業契約と、Circle株主としての立場が同時に発生する構図になっています。
