米商品先物取引委員会(CFTC)は、レバレッジなどを伴う個人顧客向け暗号資産取引を対象に、Regulation CTXとCAMに関する事前通知を公表しました。通常の現物売買を対象外とする一方、取引所の登録区分や顧客資産の管理を検討事項に挙げています。
- CFTCのCTX/CAMはレバレッジ型取引が対象
- ビットコインとイーサの現物売買は対象外です
- 官報掲載後60日間の意見募集が予定されています
- SEC、日次3倍型ファンド6本の上場を承認
証拠金・レバレッジ型の個人顧客向け取引を対象とするRegulation CTXとCAM
CFTCが示したRegulation Crypto Asset Transactions(CTX)とRegulation Crypto Asset Markets(CAM)は、証拠金・レバレッジ・資金供与を伴う個人顧客向け暗号資産取引を対象とする枠組みです。こうした取引は、商品取引所法の下でCFTC登録取引所を通じて行うことが求められている取引として扱われています。
一方、ビットコインやイーサなどを通常の現物取引として売買する場合は対象外です。CFTCによると、意見募集は連邦官報への掲載後60日間行われます。今回の通知では、現物市場全体を同じ枠組みに置くのではなく、資金供与やレバレッジを伴う取引を切り分ける考え方が示されています。
取引所の登録選択肢と検討中の要件
既存の指定契約市場(DCM)は、個別に設けられる規則の下で対象取引を扱える案です。新規参入者には、DCMとして登録する方法に加え、暗号資産市場に対象を絞ったcrypto asset market(CAM)という登録区分が検討されています。
検討項目には、複数顧客の資産をまとめて管理するオムニバス口座を使う取引所への準備資産の証明、先物取次業者(FCM)の介在、トークンの保有集中度やロックアップ、ベスティングを踏まえた上場審査が含まれます。FCMを介在させる案では、銀行秘密法に基づくマネーロンダリング対策の規則も関わります。
また、暗号資産を28日以内に利用者自身が管理する非カストディアルウォレットへ移す場合は、原則として実際の引き渡しに当たる「actual delivery」とみなし、取引所経由の義務の対象から外す考えです。これらは意見募集に付された検討事項であり、確定した要件ではありません。
CFTCの枠組みを巡る保護の論点
金融改革団体Better Marketsの証券政策部長ベンジャミン・シフリン氏は、CFTCの規則にはSECが規制する証券取引に適用される保護と同じ保護がないと主張し、個人顧客による暗号資産取引をCFTCが規制することに反対しました。同氏は、CFTCが根拠とする権限はレバレッジを伴う貴金属取引の詐欺対策として設けられたものだとの見解も示しています。
この批判は、CFTCによる枠組みの内容を確定させるものではありません。意見募集では、取引所の登録区分や顧客資産の管理、取引参加者への保護をどのように設計するかが論点になります。
SECが承認した日次3倍型ファンドとの対象の違い
SECは10月2日、Volatility Sharesが提供する6本のファンドをCboe BZXに上場させるための規則変更を承認しました。対象にはビットコイン、イーサ、金、銀、原油、天然ガスの先物の日次値動きの3倍を目指すファンドが含まれます。これらのファンドは主に先物を通じて値動きへの連動を目指し、3倍という目標は1日単位で設定されています。
SECの命令は上場日を定めておらず、各ファンドの登録届出書が発効するまで株式は取引できません。CFTCの通知が個人顧客向けの証拠金・レバレッジ取引と取引所の枠組みを扱うのに対し、SECの承認は特定ファンドの上場に関する手続きです。
連邦官報掲載後に始まる60日間の意見募集
今回のCFTCの通知は、通常の現物売買を対象外としたうえで、証拠金やレバレッジを伴う取引と、その取引を扱う場の制度を検討する段階にあります。連邦官報への掲載後に始まる60日間の意見募集で、登録区分や顧客資産の取り扱いに関する論点が扱われます。
