Polymarketは、2019年の基盤をProtocol V2へ集約する展開を始めました。新規市場の移行は11月2日が暫定目標で、既存ポジションは現行の仕組みに残ります。アプリやサイトの利用者には技術的な移行作業が不要とされる一方、取引時には新しいコントラクトの承認を求められる場合があります。
- Protocol V2で市場基盤を単一の設計へ集約
- 新規市場のV2移行は11月2日が暫定目標です
- 既存ポジションはV2へ変換されず現行維持
- pUSDを単一担保とする市場構成への再設計
- クロスチェーン対応の時期と対象ネットワークは未公表
Protocol V2の段階的な展開
予測市場プラットフォームのPolymarketは、同サービスの市場を支えるスマートコントラクト(あらかじめ定めた条件に基づき、処理を自動で行うプログラム)の基盤を、Protocol V2へ置き換える展開を始めました。プロトコル責任者のラジャス・アレックス氏は、ポジショントークンから設計を作り直したものだと説明しています。
稼働中の市場の一部では、V2を使った限定的なテストが10月30日まで行われる予定です。新たに作られる市場をV2へ切り替える日は11月2日が暫定的な目標とされています。一方、すでに保有しているポジションはV2へ変換されず、現行の仕組みに残ります。
2019年の基盤から集約する仕組み
Polymarketの現行システムは、Gnosisが2019年に公開したConditional Tokens Frameworkを基盤としてきました。市場の種類を増やすたびに、担保用のアダプターや市場ごとの追加契約を重ねる構成だったため、アレックス氏は新機能の追加に伴い、利用者の承認や開発者が扱う契約が増えていたと説明しています。
Protocol V2では、ポジションを扱う仕組みを単一のERC-1155コントラクトへまとめ、担保にはpUSDだけを用います。市場の種類を問わず一つの取引所とルーターで扱う設計です。ポジションを識別するIDには市場タイプ、市場、結果の情報が含まれるため、追加の参照をせずにどのポジションかを判別できるようにしています。
pUSDは2026年4月の取引所アップグレードで導入された担保トークンです。Circleが発行する米ドル連動型ステーブルコインのUSDCによって、1対1で裏付けられるとされています。市場の結果を決める処理には、UMAやChainlinkなど複数のオラクルへ接続できるOracleAggregatorを使う設計も示されました。
既存利用者への影響と未公表の範囲
アプリやウェブサイトの利用者は、移行のために技術的な作業を行う必要はないと移行ガイドで案内されています。ただし、取引時に新しいコントラクトへの承認を求められる場合があります。開発者やマーケットメーカー向けには、限定稼働の期間を使って統合を進める機会が設けられています。
V2のコントラクトは、ポジション、担保、市場結果のデータを異なるブロックチェーン間で移せるように設計されています。しかし、クロスチェーン機能をいつ開始するか、どのネットワークに対応するかはPolymarketから公表されていません。コードは複数の監査組織による監査とCertoraの形式検証を受け、重大な脆弱性の報告には最大500万ドルのバグバウンティが設定されています。
