Ledgerは、既存端末の流通経路での改ざん事案を説明する一方、新端末Atomを当初は公式サイトで販売する方針を示しました。機密操作を分離する設計と改ざん検知の機構、販売経路は、端末を受け取るまでの安全性に関わる条件です。
- Ledgerは正規端末への不正部品組み込みを説明
- AtomはSecure Modeで署名などの機密操作を分離
- Atomを公式サイトのみで販売する当初方針
- 製品認証を条件に2027年中の提供見込み
Ledgerが説明した供給網への攻撃と販売網の調査
Ledgerは、組織化された犯罪グループが正規のLedger端末を購入した後、初期設定時にリカバリーフレーズ(ウォレットを復元するための単語列)を読み取る不正な部品を組み込み、販売網へ戻したと説明しました。マレーシアの再販業者CryptoBilisから端末を購入した利用者から資金損失の報告を受け、調査を始めたとしており、影響を受けた端末の一つでは無許可のハードウェア部品を確認したとしています。
同社は、自社のチップ、OS、サーバーに欠陥や侵害はなく、端末が管理下を離れた後の流通経路が攻撃対象になったとの見解を示しました。東南アジアと香港の正規再販業者・販売代理店は販売を停止しており、Ledgerは他の市場も含めて調査を進めるとしています。
Atomに組み込む分離設計と改ざん検知
Ledgerは10月15日、新端末「Ledger Atom」を発表しました。AtomはAndroidを基盤に日常的なアプリを動かしつつ、署名などの機密操作では、Ledger OSを動かす専用チップ側の「Secure Mode」へ切り替える設計です。LedgerのCTOは、Ledger OSが制御する回路によって、承認時には画面をSecure Modeへ移す仕組みを説明しています。
LedgerはAtomについて、端末の重要部分を覆う構造、画面や背面カバーの取り外しを検知するセンサー、開封を示す包装を組み合わせるとしています。改ざん検知用の機構には独立した電源を持たせ、端末の電源が切れている状態でも機能する設計だと説明しました。Ledgerの広報担当者は、こうした耐改ざん対策の開発は個別の事案への対応として始まったものではないとしています。
Atomの当初販売方法と提供時期の条件
Atomは4G・5Gでデータ通信を行う一方、音声通話、SMS、緊急通報には対応しない端末として案内されています。Ledgerは当初、第三者の販売網を使わず、公式サイトでAtomを販売する方針を示しました。予約は始まっていますが、提供は製品認証を含む条件に左右され、2027年中を見込むとしています。
既存端末の供給網で発生した事案への調査と、Atomの設計・販売条件は、Ledgerがそれぞれ説明している事項です。Atomに関する改ざん検知や販売方法は、同社が示した製品仕様と提供方針として位置付けられています。
