ビットワイズ・アセット・マネジメントは、2036年のビットコイン基本価格目標を159万9,766ドルへ引き上げる長期試算を示しました。機関投資家の需要と新規供給を前提に置く一方、弱気・強気のシナリオや規制・技術面の不確実性も示しており、数値は将来を確定するものではありません。
- ビットワイズが2036年の基本価格目標を159万9,766ドルへ上方改定
- 2026年9月30日基準の約8万3,557ドルから年平均34.3%の成長を試算
- 機関投資家の配分拡大と年間約140億ドルの新規供給が前提です。
- 弱気13万686ドル・強気367万ドルを含む3シナリオの条件が焦点
2036年の基本価格目標と3つの価格シナリオ
ビットワイズ・アセット・マネジメントの長期市場見通しでは、2036年のビットコイン基本価格目標が159万9,766ドルとされています。前年に示した130万ドルからの引き上げです。同社は、2026年9月30日時点で用いた約8万3,557ドルから、年平均34.3%で成長する計算になると説明しています。
同社の試算には、基本シナリオのほかに弱気・強気の想定もあります。弱気シナリオは13万686ドル、強気シナリオは367万ドルです。いずれも将来価格を確定する数値ではなく、同社が置いた条件とモデルに基づく見通しです。
機関投資家の配分拡大と新規供給の前提
基本シナリオでは、機関投資家がビットコインをポートフォリオへ組み入れる動き、新規供給が予測可能な日程で限られる点、政府債務の増加を主な前提に置いています。ビットコインは発行上限が定められた暗号資産であり、同社はこの供給特性が長期の需要見通しに関わるとみています。
同社の計算では、約147兆ドルを管理する機関投資家が資産の1%から5%をビットコインに配分した場合、購入額は1兆5,000億ドルから7兆4,000億ドルになる可能性があります。一方、ネットワークによる年間の新規供給は約140億ドルと見積もられています。同社は、需要見通しと新規供給の差を価格上昇を想定する根拠の一つに挙げています。
また、同社資料では、米国の現物ビットコインETP(ビットコイン価格への連動を目指して取引所で売買される商品)の保有額を約1,080億ドルとしています。銀行や証券会社による保管・取引サービスの整備も、機関投資家の参加を支える要素として位置付けています。
過去の値動きと長期シナリオに残る不確実性
ビットコインは2025年10月の12万6,080ドルの高値から、2026年6月30日には5万8,717ドルまで下落し、下落率は53.4%だったとされています。ビットワイズはこの下落を過去のサイクルと比べて浅いものと評価し、投資家層の広がりによって4年周期の影響が弱まる可能性を見込んでいます。変動率についても、10年間の平均を27.8%とする前提をモデルに置きました。
一方で同社は、ビットコインの実績期間が短いこと、規制の進展が停滞し得ること、量子計算やAIによる数学的手法の進歩がウォレットを守る暗号技術に影響し得ることをリスクとして挙げています。技術上の課題では、将来的にネットワークの大幅な更新が必要になる可能性にも触れています。2036年の数値は、こうした前提と不確実性を含む長期シナリオとして示されたものです。
