Zcash(ZEC)の価格上昇をめぐり、Helius共同創業者兼CEOのMert Mumtaz氏は、上昇要因をプライバシー機能だけでなく、価値保存手段としての性質と結び付けて説明しています。ZECは週間で約32%上昇し、9月19日に約1,595ドルを付けました。商品面では、21sharesが欧州初のZcash連動ETP(証券取引所で売買される金融商品)をEuronextパリとアムステルダムに上場し、ZECへ直接保有以外でアクセスする経路も広がっています。
- Zcashは9月19日に約1,595ドルを付け、2016年のローンチ以来の高値水準となりました。
- Mumtaz氏は、Zcashの上昇をプライバシー単独ではなく、価値保存、スケール、将来の脅威への耐性を含む全体像で捉えています。
- 21sharesは現物裏付けのZcash ETPをEuronextパリとアムステルダムに上場し、ETHFI連動ETPも同時に投入しました。
- 米国ではGrayscaleのZcash ETFがNYSE Arcaで取引されており、Zcash関連商品は米欧で広がっています。
Mumtaz氏が示した価値保存手段としてのZcash
Zcashは直近で大きく上昇し、週間では約32%高となりました。9月19日には約1,595ドルを付け、2016年のローンチ以来の高値水準となり、時価総額では9位に位置付けられました。
この値動きについて、Helius共同創業者兼CEOのMert Mumtaz氏は9月21日の番組で、Zcashの理由をプライバシー機能だけに置く見方とは異なる説明を示しました。同氏は、プライバシーは大きな全体像の一部であり、価値保存手段としての条件の中で捉えるべきだとの見方を示しています。
Mumtaz氏の説明では、価値保存手段には規制面や代替可能性をめぐる不意の変化が少ないことが求められます。その文脈で、プライバシー、量子耐性(量子コンピューターの発展による暗号上の脅威に備える性質)、価値保存、スケール(利用増に対応する処理能力)が一体の論点として扱われています。Zcashは次回アップグレードでブロック時間の短縮と完全な量子耐性を目指している一方、現時点のネットワークは量子耐性を完全に備えた状態ではなく、復旧可能な段階とされています。
ETFとETPで広がるZECへの市場接点
Zcashをめぐっては、価格上昇だけでなく、上場商品の拡大も確認されています。Grayscaleは8月25日にスポットZcash ETF(証券取引所で売買される投資信託)を上場し、同商品はNYSE ArcaでティッカーZCSHとして取引されています。これに関連して、2億3,300万ドル規模の資金流入があったとされています。
欧州では、21sharesが現物裏付けのZcash ETPをEuronextパリとアムステルダムに上場しました。この商品は、利用者が暗号資産を直接保有せずに、証券口座を通じてZECへの価格連動の機会を得られる設計です。21sharesは同時に、Ether.fiのガバナンス兼ユーティリティトークンであるETHFIに連動する現物裏付けETPも投入しました。
両ETPの年間管理手数料は2.5%です。これは欧州の多くのビットコインやイーサリアム関連投資商品より高い水準とされています。
プライバシー単独説との違いと周辺銘柄の動き
Mumtaz氏は、Zcashの上昇がプライバシー機能だけによるものなら、同じくプライバシーコインであるMoneroも同程度の価格推移を示すはずだと述べています。Moneroも週間で上昇していますが、Zcashの上昇率には届いていません。
一方で、プライバシー関連銘柄全体にも買いが入っており、MoneroやDashも上昇しています。このため、Zcash固有の材料だけでなく、プライバシーコイン全体への資金流入も同時に起きています。
Zcashは、過去1年で約1,100%上昇し、最近は1,500ドルを上回る場面もありました。Grayscaleの調査責任者であるZach Pandl氏は、Zcashがビットコインに対する後発優位を持つ可能性に触れています。また、Fortitude Digital Miningは2026年前半に生産されたZECの約28%を採掘したとし、同社のZcashへの注力理由として、プルーフ・オブ・ワーク(計算作業でネットワークを維持する仕組み)、供給上限、プライバシー機能を挙げています。
Mumtaz氏自身はこれまでもZcashを繰り返し取り上げており、HeliusがNEARを通じてSolana利用者へZcashを届ける取り組みに関わったとも述べています。同氏の見方は、Zcashの上昇を「プライバシー機能の再評価」だけでなく、「価値保存手段としての複数条件がそろうか」という論点に置き直すものです。
