Coldcardハードウェアウォレットの脆弱性で流出した資金について、Galaxy Digitalのリサーチ責任者Alex Thorn氏は52.37BTCがCrypto Recovery Trust関連アドレスへ移されたと説明しました。被害者返還へ向けた管理が進む一方、同じ取引に含まれた3.0134BTCはColdcard関連と推定されるものの未確認です。
- Coldcard流出52.37BTCを信託関連アドレスへ移送
- 第2波の約40%がホワイトハット活動と特定
- 3.0134BTCはColdcard関連推定も未確認
- Coinkite修正後も古いシードのリスク残存
52.37BTCの回収信託への移送
今回移された52.37BTCは、Coldcard脆弱性に関連する追跡資金のうち、第2波に結び付く分などから集約されたものです。Thorn氏の説明では、資金はCrypto Recovery Trustに関連するアドレスへ送られ、被害者への返還に向けて管理されます。
移送先の取引には、請求先を示すOP_RETURN(ビットコイン取引に短いメッセージを残す欄)のメッセージが付いていました。この取引はブロック967,948で確認され、AA、AU、AXとされた3つの追跡ラベルも含まれていました。
被害者は、Crypto Recovery Trustの確認ページで自分のウォレットアドレスを照合し、信託が資金を管理しているかを確認できると説明されています。
7月30日に始まったColdcard脆弱性の攻撃
Coldcardは、ビットコインの保管に使われるハードウェアウォレットです。今回の攻撃は7月30日に始まり、その後の数日間で第1波から第3波まで複数回に分かれて進み、推定被害額は1億ドル超とされています。
原因として挙げられているのは、専用乱数生成器(予測しにくい数字を作る仕組み)ではなく、弱いソフトウェア由来の乱数でシード(ウォレット復元に使う元データ)が生成された点です。このため、一部のシードを攻撃者が再構成できる状態になったと説明されています。
ColdcardのメーカーであるCoinkiteはファームウェア(機器の基本動作を制御するソフトウェア)を修正済みです。ただし、古いシードで露出した資金は、修正後も影響が残る可能性があります。
Galaxy側が示した第2波の回収比率
Thorn氏は、今回移された52.37BTCが追跡対象全体の2.8%に当たり、第2波の約40%がホワイトハット活動と特定されたと説明しました。Coldcard脆弱性に結び付く公開済み集計として、1,830BTCと9,162アドレスにも言及しています。
同じ取引には、Galaxy側で過去に追跡していなかったアドレスからの3.0134BTCも含まれていました。Thorn氏は、この分もColdcard関連でホワイトハットが回収した資金と推定しつつ、出所は未確認だとしています。
セキュリティ研究者でSEAL 911のインシデント対応者であるNick Bax氏も、9月9日に、Coldcardのランダム性の問題を理由として7月末に約50BTCの救出を支援したと述べています。
被害者返還へ向けた確認経路
Crypto Recovery Trustは、被害者に資金を返す目的で設けられた信託です。Thorn氏の説明では、被害を受けた可能性のある利用者は、自分のウォレットアドレスを照合することで、信託が対象資金を管理しているかを確認できます。
一方で、今回の移送に含まれた全額が同じ確度で確認されているわけではありません。52.37BTCの中心部分は第2波に関連する追跡資金として説明されていますが、追加の3.0134BTCは過去の追跡履歴がなく、Coldcard関連との見方は未確認のままです。
