Ethereum改善提案EIP-8363の共同執筆者は2026年10月1日、バリデーター報酬のバーン案をHegotáネットワークアップグレードの検討対象から撤回した。EIP-8363は、ステーキングされるETHが増えるほどコンセンサス層の報酬を大幅に減らす発行政策の変更案だったため、今回の判断はHegotáの範囲だけでなく、Ethereumの金融政策を議論する手続きにも関わる。
バーン率はステーキング量に連動する設計
EIP-8363は、ETHの総ステーキング量が増えるにつれて、新規発行されるバリデーター報酬のバーン比率を段階的に引き上げる構想だった。公開されたカーブでは、ステーキング量が約6,025万ETH、供給量のおよそ半分に達するとバーン率が100%となり、約18カ月かけて移行する設計が示されていた。
ステーキング率が約34%の局面では、コンセンサス層の年率利回りが約2.6%から1.2%へ低下すると試算されていた。ただし、これらは撤回されたモデルの数値であり、メインネットに適用済みの変更ではない。現時点のETH発行とステーキング報酬は従来のプロトコルに従う。
発行政策は独立した協議へ
同案を巡っては、金融政策の決定手続き、安全性の前提、バリデーター構成への影響、ソロステーカーへの圧力などが論点となった。Hegotáの調整スレッドではその後、発行量や報酬設計に関する提案をアップグレードの範囲決定から切り離し、複数の利害関係者が参加する専用プロセスへ先送りする方針が示された。
共同執筆者は、11月のDevcon前後から独立した議論を始め、ワークショップやフォーラムを通じて2027年4月のEthCCまで継続する計画を示している。修正版が生まれる可能性はあるが、EIP-8363が同じ内容で将来のアップグレードに戻ることや、代替案が採用されることは決まっていない。
短期的な市場反応を確認する際はETH価格が参考になる一方、持続的な評価にはステーキング参加率、バリデーター集中度、ソロステーキングの採算性、代替となる発行提案の進捗が重要となる。次の具体的な確認点はHegotáの最終スコープと、将来の発行関連EIPが正式な採用候補または採用予定の段階へ進むかどうかだ。
情報源
- Ethereum Magicians:EIP-8363討論スレッド。
- Ethereum Magicians:Hegotáアップグレードのメタスレッド。
- The Block報道をまとめたPrimeXBTの記事。
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