イーサリアム共同創設者のVitalik Buterin氏は9月27日、暗号学的証明と分散型のオフチェーン計算を組み合わせる長期的なネットワーク構想を公表した。すべてのノードが同じ計算を繰り返さなくても利用者が結果を検証できる仕組みを目指すもので、Ethereumの検証方法、プライバシー、処理能力に直接関わる。ただし、現時点で承認・実装されたアップグレードではなく、技術的な方向性を示したものだ。
現在のネットワークでは、多くのノードが共通のルールに従って取引を再実行し、正しさを確かめる。ブテリン氏の構想では、計算を担う参加者が短い証明を作成し、別の参加者がその結果を効率的に検証する。データのサンプリングも活用し、アプリケーションが拡大しても、単に処理件数を増やすだけでなく独立した検証を維持する狙いがある。
Hegotá後に設計の重点が変わる可能性
同氏は、2027年に計画されるHegotáフォークが、比較的従来型の最後のアップグレードになる可能性があると述べた。その後は再帰的なSTARK証明、形式手法による検証、効率化されたコンセンサス、将来の量子計算に備えた安全性が重点になるという。PeerDASについては、全参加者がすべてのデータを取得し直す方式から、サンプリングを使う方式への初期の一歩と位置づけた。
実現にはなお大きな技術的課題がある。証明生成の費用と信頼性を改善する必要があるほか、複数の計算主体が同じアプリケーションの状態を更新する際には安全な調整が欠かせない。ブテリン氏は、大規模な状態の管理と並列処理は証明の効率化以上に複雑になり得ると指摘した。記事は構想全体の確定した導入日を示しておらず、通常のETH取引に想定するプライバシー機能がすでに備わったともしていない。
技術方針はEthereumの競争力や将来のネットワーク利用に対する期待を変え得るが、構想の公表だけで直ちにETH需要が生まれるわけではない。ETH価格を追う市場参加者は、短期的な反応を実際の開発工程やオンチェーン利用と照らし合わせる必要がある。今後はHegotáの最終仕様と実施、証明コストや検証性能の改善、分散性を損なわずに新設計を採用するアプリケーションの広がりが具体的な確認材料となる。
出典:Vitalik Buterin氏の9月27日付論考「The cryptographic world computer」、CoinDeskによる9月27日の報道。
本記事は情報提供のみを目的とし、投資助言ではありません。記載した構想は研究、試験、ガバナンスの過程で変更される可能性があります。
