米国で11月3日に実施されたデータセンター関連の住民投票では、少なくとも29地域でAI用を含む開発の禁止・制限を支持する結果が示されました。10州41件の措置には諮問投票も含まれ、電力料金や水資源、住民参加を巡る地域の判断が争点となりました。
- 米国29地域以上でAIデータセンター開発の制限を支持しました
- 10州41件の関連措置、28件が開発抑制へ向かう設計
- オハイオ州ハバードでは4分の3超が禁止を支持しました
- ジョリエットではAIデータセンター支持の諮問提案に約80%が反対
- OpenAIの呼称変更もあり、電力料金・水資源が地域判断の焦点に
29地域以上で支持されたデータセンター開発の制限措置
米国で11月3日に行われた投票では、少なくとも29の地域で、AI用を含むデータセンター開発を禁止または制限する措置が支持されました。対象となった措置は、開発を禁止する案から、追加の住民承認を求める案まで幅があります。
投票追跡サイトのBallotpediaは、10州で41件のデータセンター関連措置を把握しました。このうち28件は、賛成票が開発の抑制につながる形で設計され、13件は開発を認める、または支持する内容でした。後者は否決された場合に開発側にとっての後退となるため、賛否の向きだけを単純には比較できません。
一部は法的拘束力のない諮問投票であり、可決しても直ちに建設が止まるとは限りません。投票結果が計画へ及ぼす影響は、各措置の内容や拘束力によって異なります。
オハイオ、イリノイ、ウィスコンシンで示された地域別の判断
オハイオ州では、草の根団体Conserve Ohioが支持した10件のチャーター措置がすべて可決されました。ハバードでは、有権者の4分の3超がデータセンターの禁止を支持しました。グランビル、トレントン、サンベリーでも、制限措置への支持はおよそ78%から82%に達しました。
イリノイ州ジョリエット・タウンシップでは、AIデータセンターを支持する諮問提案が約80%の反対を受けました。ウィスコンシン州ジェーンズビルでは、データセンター計画に関連する旧ゼネラルモーターズ用地で大規模開発を進める前に、あらためて住民投票を行う要件が60%超の支持を得ました。
電力料金・水資源・公開手続きが問われた開発計画
データセンターは、AIシステムの訓練や稼働に使う半導体やサーバーを収容する施設です。大規模施設の電力需要は、電力料金や送電網の容量を巡る地域の論点となってきました。水の使用量、騒音、十分な公開手続きなしに進む開発協議への懸念も示されています。
企業側では、ロビー活動や広報を強める動きがあり、OpenAIはデータセンターを「コンピュート・キャンパス」と呼び替える取り組みを進めています。ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者は先月、全面的なモラトリアムが経済に深刻な影響をもたらし得るとの見解を示しました。これは規制の経済的影響に関する同氏の見解であり、今回の各投票が持つ法的効果を示すものではありません。
