オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、暗号資産交換業者とデジタル資産カストディアンを対象に、資本、顧客資産の保管、取引に関する基準案の協議を始めました。制度は2027年4月8日の発効を予定しており、既存事業者は必要なライセンスを同年10月7日までに申請すれば、審査中も事業を継続できます。
- ASICが資本・保管・取引の基準案を協議
- 1,400万豪ドルを含む資本要件3案
- 制度発効は2027年4月8日を予定しています
- 既存事業者は10月7日までの申請で継続可能
オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、暗号資産交換業者とデジタル資産カストディアン(顧客資産を保管する事業者)を対象に、資本、保管、取引に関する新たな基準案について意見募集を始めました。4月に議会でデジタル資産に関する法整備が可決されたことを受け、対象事業者には規制上の認可またはライセンスの取得・更新を求める枠組みです。
規則案は、顧客資産の分別管理と保護、取引の透明性、決済手続き、事業者の財務資源を対象とします。また、顧客の注文をどう取り扱うか、市場操作や利益相反にどう対応するかも基準案に含まれます。ASICは、暗号資産事業を従来の金融事業に近い規制枠組みに置くための次の段階として、協議を進めています。
資本要件と顧客資産の保管に関する選択肢
ASICは資本要件として3つの選択肢を検討しています。その一つでは、一定の要件を満たす第三者保管体制を利用しない運営者に対し、純有形資産1,400万豪ドル、または平均収益の10%のうち大きい方を保有することを求めます。
顧客資産の保管については、海外のカストディーを認める案も示されました。その場合、海外の親会社または関連会社が破綻した際に、オーストラリアの事業者が秘密鍵へ緊急にアクセスできるかどうかについても意見を募ります。顧客資産を保有するウォレットの構造とアドレスを四半期ごとにASICへ報告し、関連記録を7年間保存する案も含まれています。
取引面では、プラットフォームが自らの勘定で取引することや、特定のトークンを優遇する見返りを受けることへの制限が提案されました。これらは、顧客注文の扱いと利益相反に関する基準案の一部です。
協議から制度開始までの予定
意見募集の締め切りは11月27日です。ASICは2027年3月に最終的な基準とガイダンスを公表する予定で、制度は2027年4月8日に発効します。
すでにオーストラリアで事業を行う暗号資産事業者は、2027年10月7日までに必要なライセンスを申請すれば、ASICが申請を審査している間も事業を継続できます。今回の協議では、資本、保管、取引の各要件と、既存事業者が認可へ移行する条件が具体化されています。
